人間臭さ
あまりにも寂しくてあまりにも感情を顕にしたくて、でもそれはとても醜い事だとさえ感じてしまうから、僕は口をつむごう。
余計なことは言うまい。
例えそうして相手に想いを伝わらなかったとしても、自分を上手くさらけ出すことなんで出来ないのだ。
余計なことは言うまい。
今迄も僕はそうしてきたじゃないか。
本音を言える者なんて数少ない。いや、居ないかもしれない。この先、見つかるとも限らない。
装って装って生きている。
生きる意味など無いに等しい、けれど。
僕は今しか見ていないのかもしれない。
明日のことなんて分からないし、明日の楽しみなんて、今の寂しさと比較したらすぐ飛び降りてしまうだろう。
僕の生が尽きたら、海に遺骨を撒いてくれ。
そう願う。僕がこの世という所に存在していたと言う事を無かったことに、無かったことに。
記憶からすっと消えて無くなってしまいたい。
微かな記憶の中で忘れられていくのは耐えられない。ならば始めから無かったことに無かったことに。
僕はこの世を悲観しているのではないのだよ。
僕はもう充分すぎるほど楽しんだのだ。
これ以上何かを望むのは。。。
今例え一瞬で消えても恨みや後悔なんて無いと思う。
やりたい野望も。
ふっと終わりを迎える時、幸せだったなと思うに違いない。
違いない。